時々家の周りのマップを見て暇つぶしするのだが、今日ふと見ているとどう見ても昔川だったなって地形を発見。
案の定調べてみたら1970年台ぐらいまでは川だったようだ。
https://mapps.gsi.go.jp/maplibSearch.do#1
ここで調べることが出来る。
今はその川は公園になっている。川の上が全部ランニングコースになったり自転車道になったりしている。都市に公園を作るには川を埋めて暗渠にしてしまう必要があるのだろう。
最近整備中の大きな公園が海辺にあるのだが、元々この大きな公園って何があったんだろう?と思って調べてみたのだが、ここは昔製鉄所があったようで公園になった場所には石炭が積まれているのが見えた。周辺には錆茶色した工場がたくさんあってまさに鉄鋼の街と言った様相である。
そういえば、じいちゃんはずっと鉄鋼の工場で働いていたし、うちの母親も最初就職した会社は鉄鋼の会社だったし、うちの叔母は鉄鋼の会社で出会った人と結婚している。
その鉄鋼の会社はすでにこの街から撤退して長い時間が経ってしまった。私が生まれた頃にはまだ少し残っていたが今ではもう影も形もなくなり、跡地は面影もないただの公園である。
じいちゃんも今では天国へ行ってしまってこの世から消えている。いずれ母親もおじさんやおばさんも天国へ行き、この街に昔鉄鋼の会社があったことすら誰も知らない時代がやってくるのだろう。
直接関係ないし、鉄鋼の工場なんて空気を汚す公害の元になるから正直自分の家の近くにないほうがいい。
でも、なぜかわからないけど、心が苦しくなってしまう。昔の航空写真にたくさん写っていた赤茶色の工場はきれいな公園になってしまったという現実が本当に心を押しつぶすような感じがして、悲しい気持ちになってしまう。
俺の育った実家はその鉄鋼の会社の買い取った土地を社員のために住宅地として販売してじいちゃんが買ったからあったわけなのだ。はっきり言って鉄鋼なくして今の私は存在し得なかった。直接働いていたわけではないが無くてはならなかった存在、それが鉄鋼なのである。
それがもうそこには無くなってしまっている…。諸行無常とは言うが本当に悲しい。
今後もこの街はどんどんきれいになっていくだろうけど、汚かったあの街があったからこそきれいな街になったと言えるだろう。
誰か鉄鋼をテーマにした映画を撮って残して欲しい。