最近、アメリカナマズが瀬田川で増えていたり、木曽川でスモールマウスバスが増えていたりというニュースを見る。
他にもユーチューバーが外来種を捕まえて駆除するという動画をよく見かける。
しかし、ぶっちゃけ無意味なので早めに諦めた方がいいというのが私の意見である。
YouTuberが池の水を抜いて外来種を捕獲するという動画アップしていたが「1年前に水を抜いて外来種を駆除したのにもうブルーギルがたくさん繁殖しています!」という結果でした。
恐らく、前回駆除した時に残っていた魚か流入河川にいた魚が増えたのだろうと思われる。
ただ、私から言わせてもらうと自然のバランスを水を抜くという行為によってぶっ壊しているのは人間でしょ?ということ。
水を抜くことでブルーギルの天敵も駆逐し、ブルーギルの繁殖しやすい環境を整えた結果、ブルーギルが大繁殖しましたよという誰にでもすぐに理解できる結果である。
私は生態学を大学で学んで調査をしていたが大体の場合において人間が撹乱を起こした結果、一番先に定着するのは外来種であることがわかっている。
例えば、家を潰して更地にした場所に最初に生えてくる植物はアレチノギクという帰化植物である。他にも色々な草が生えてくるが日本の在来種よりも外来種のほうが圧倒的に早く生い茂る。
人間が撹乱を起こす場所としては河川の堤防などが定期的にメンテナンスで在来種を刈り取ったりしているがセイタカアワダチソウを始めとする帰化植物の宝庫となっている。春にはヒメジョオンやハルジオン、オニアザミなどのきれいな花が咲いているが帰化植物である。
秋もセイタカアワダチソウがきれいな花を咲かせている。
人間が撹乱を起こさなければ日本の在来植物が優占種となっている場所が人間の撹乱によって外来種の宝庫になるわけである。
なぜ水辺の外来種だけを駆除するのか?
私の見ているYouTubeでは淡路島の池のブルーギルを駆除していたが何の意味があるのかよくわからない。
淡路島の池にブルーギルがいようがいまいが特に大きな問題は無いのではないか?
ブルーギルがいることで在来種の生息域が脅かされていると言っているが、それなら空き地に生えてきた帰化植物も一生懸命引き抜いて日本の古来の葛やよもぎが生えてくる環境を整えるべきなのではないだろうか?
なぜ魚や亀だけ駆逐するのか?
琵琶湖は外来種駆除を諦めたがブラックバスは減っている
なぜ私が早く外来種問題を諦めるべきだと言っているのか?であるが結局外来種は最初爆発的に増えるが最終的に安定した数に落ち着くからである。
ブラックバスが在来種を食べまくって数を増やしたとしても数が増えすぎれば餌の奪い合いによって共食いになり、一定の数で安定して増減があるかもしれないが一時期の異常な生息数はなくなる。
琵琶湖がまさにその状態となっており、30年ほど前は爆発的に数が増えて駆除しても駆除しても数が増え続けていた。
それが近年では漁師が網を入れてもブラックバスが全然入らなくなりバスの駆除で補助金をせしめることができなくなっている。
最近はブラックバスの駆除を止めて藻刈事業で補助金をせしめる方向に切り替えたようだが駆除を止めても生息数は減り続けている。
恐らく30年以上の時間をかけて外来魚が琵琶湖の生態系の中で安定した数に落ち着いたのが現在だと思われる。
淡路島のブルーギルに関しても人間が水を抜くなどの撹乱を起こさなければ異常な量の大発生は無く、在来種と変わらない量の数で安定したと思われる。
利害につながる外来種は駆除を続けるぐらいでいい
木曽川などの岐阜県でスモールマウスバスが増えるとアユが減って生活できなくなる漁師や観光事業者が出てくるため、そういうところでは外来種駆除を行えばいい。
他にもヌートリアは堤防に穴を開けたりすることで災害の危険性を高める害があるので駆除するべきだし、屋根裏に住み着きがちなアメリカ原産のアライグマなども駆除するべきだ。
ただ、そのへんの川にいるブラックバスや沼にいるザリガニまで必死で人間が駆除をしなければならないのか?放っておいて害がないレベルならわざわざ手を下す必要もないし、余計な撹乱で外来種を爆発的に増やす結果になるのは本末転倒なのではないだろうか?