裁量労働制が普及してずいぶんと経つが成功しているかと言われるとどうも成功しているようには見えない。
なぜ裁量労働がうまくいかないのか考えてみよう。
部下を評価するのが難しい
はっきり言って数字で評価できる営業の仕事なら評価は簡単だけど、世の中の仕事はそんな簡単に評価できる仕事ばかりでもない。
店舗で働いている場合など全店セールとかが有ったから稼げたかもしれないし、売面の作り方やポップが購買につながったかもしれない。ただ、どれが成功しているのか見えにくいのが実態である。
だから店長としては評価を上げていいのか、それほど評価を上げないほうがいいのかわかりづらい。
売上につながっている販売部署などならまだ数字が見えるもののバックオフィスとかだともっと評価が難しい。
管理部などどうやって評価をすればいいのか全くもってよくわからない。
その結果資格を取ったとかそんな部分で評価するしかなくなってくるわけである。
その資格が売上アップにつながるのか?持っていても特に何の役にも立たないような資格を取って給料が上がるという変なことが起こっていたりする。
プログラマーだったら基本情報技術者の試験に受かったら資格手当がつくとかあるけど普通にプログラマーやってたら取れて当然であってクライアントからの評価が上がるものでもない。
結局目に見える形にならないと評価出来ないというわけである。
コンサバティブな働き方が最強かよ
私が以前いた職場が障害者雇用施設の仕事だったのだが、この障害者雇用施設ではタオルを畳んだり、チラシを封筒に入れたりする作業をしている。
一枚あたり1円とか2円というレベルであり、一時間に100枚折っても100円とかである。
障害者の人は最低時給が国の福祉事業から支払われる。ただ、事業所としてはこの仕事の売上を増やさなければ事業が続けられなくなってしまう。一応職員の給料も国から支払われているものの運営にはそれ以外にも金がかかるので低賃金の仕事もとても重要な仕事となっている。
そう考えると一枚1円とか2円の仕事で一日一人で1000円稼げるかどうかみたいな事業よりももっと効率よく稼げる仕事を受注したほうが良いと言える。
ということで、私の上司はパソコン事業を進めていてパソコンを使える障害者を集めてライティングとかの仕事をやらせていた。
今、Webの世界ではライターが少なく、素人の障害者でも一記事2000円程度はもらえていて毎日2000円とか稼げていて、一ヶ月10万円とか稼げる事業に成長しつつあった。
ただ、みんなが必死で袋詰している中でパソコンポチポチやってるだけに見えるこの事業は他の職員からの反感を買い、事業を潰すことになった。
みんなが一生懸命袋詰したのをダンボールに詰め込んでトラックに運ぶ作業を手伝わないでずっとパソコンいじってるとか仕事なめんなよ!ってことだったらしい。その上司は部長に呼び出されてひたすら説教されたと言っていた。
マジでこういう話を聞くとわかりやすく汗かいてる仕事が組織には必要であり、どれだけ儲かっても汗をかかない仕事は頑張ってると認められないことになる。
まとめ
結局一つ言えるのは組織で生きていく限り無駄に周りに向けてやってる感が出せないと評価されないということである。
一切金に結びつかなくても無駄にやる気を見せて動き回っていれば頑張ってると評価されるのが会社での仕事なのである。
会社員として働くならやってるふりが上手くないとずっと評価されないだろう。
効率よく働いて売上を大幅アップさせても何の評価にもならない可能性が高いのでそういう有能な人は会社なんかで頑張らずに副業で頑張ったり、本当に稼げるなら会社を作って独立してガッツリ稼いだほうがいいと思う。
猿の群れは大きくなるに従って生存とは関係のない毛づくろいの時間が増えるという。会社というのは猿の群れであり、売上とは関係のない毛づくろい的無駄な労働が必要とされる。